HOUSING81
住まうこと自体が楽しくなる自然素材に包まれた家
玉川村/Sさん宅
施主の夢を高い設計力で表現
「家を建てるなら、二世帯がほどよい距離感で暮らせる、ぬくもりの感じられる家がいい」と考えていたSご夫妻。依頼先は、親戚やご主人の友人宅も請け負った実績のある〝雅 建築設計事務所〟で、木の優しさと快適さを醸し出す独自の空間設計力が定評だ。「自分たちが実現したいことを伝えて、プランニングしてもらったのですが、自分たちの意図を汲んだ上でブラッシュアップされた提案には感動しました」というSさん宅は、玄関ホールを境に東側はLDKの共有スペース、西側はご両親の生活スペースになっている。2階に通じる階段ホールの両側と水廻り側にはそれぞれ引き戸が設けられているので、生活の時間帯が異なる二世帯がお互い気遣いせずに生活でき、来客の場合でも目線を気にするなど、我慢を強いられることも無い。
家の隅々にご夫妻のこだわりと家族への優しさが光る家
ご夫妻がこだわったのは木のぬくもり。
特にLDKは木の質感をより感じられるように工夫されている。例えば、珪藻土の白壁を基調にしながら、床はさくら、天井はヒノキとプラスターボード、腰板は杉など色合いや風合いの違う素材を巧みに組み合わせており、心の落ち着きと上質なくつろぎを誘う細やかな配慮が行き届いている。ご主人がさらにこだわったのは、リビングの畳コーナー。ご両親にも優しい段差の少ない小上がりになっており、リビングとは独立させた上で、障子戸を開くとワンフロアの広大な空間に。また、ご両親の生活スペースも余裕のある広さを確保しており、玄関から続く土間&縁側スペースはテラス側からも出入りできるのでとても使いやすそう。穏やかな気候の際は開け放してオープンな雰囲気が楽しめる。「ぬくもりのある家づくり」を目指したご夫妻だが、自然素材にあふれたこの二世帯住宅は、家族の心までも温めてくれることになったようだ。
〈満足〉自然素材に囲まれたLDKスペース。和室の建具は壁収納とし、リビングとの一体感をもたせた。
寄棟造りの軒天井には軽くて耐水性に優れる「さわら」を使用し、内外ともに木質感を出したつくり。
〈後悔〉瓦・外壁・玄関ドアなど、トータルでカラーシミュレーションしていればもっと納得のいく選択ができたので残念。
▪マイホームDATA
◦家族構成/両親+夫婦+子ども3人
◦延床面積/176.54㎡(53.42坪) 1階 120.36㎡ 2階56.18㎡
◦構 造/木造在来軸組工法
◦竣 工/2015年9月
▪施工会社
有限会社 雅(みやび)建築設計事務所【詳細はコチラ】
石川郡石川町塩沢字広畑52 TEL.0247-26-7997